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2009年5月

きらくで じゆうで さびしくて

朝から晩まで外出。

数えてみると6箇所。疲れるわけだ。

最後の一箇所をのぞいては、ほぼ初対面の人と話さなければならなかった。まあ当たり前なんだけど。

それでも夕方までの5箇所はこれからの生活を整える意味でも大事な用件。一日費やすだけの意味はある。

夕方、家に一度戻った。夜の打ち合わせまでほんの少しだが時間がある。ちょっとだけ昼寝。

夜、打ち合わせのため新宿へ。

プロデューサーの方は、とても優しい方だ。

きっとどんな人とでも、うまくやってゆけるんだろうなあ。

夏の仕事のスケジュールについて説明を受けた後、携帯ゲームの打ち上げに参加した。

これからの企画戦略とか、話ができてとても楽しかった。

会社っていいなあ。チームなんだよなあ。

ワキアイアイとした雰囲気が懐かしくて、胸がいっぱいになった。

私も昔、会社勤めしてた頃、こういう空気の中に毎日いたんだ。

今はいつも一人で仕事。

気楽で、自由で、淋しくて。

帰り道、駅まで歩いて帰った。

駅で人と別れると、チーム、とか、仲間、っていう魔法が一気にとけて、

また元に戻った。

一人で宙ぶらりんのまま、フワフワと生きる私。小さな気球。

まあとにかく操縦するのは私しかいないからね。

墜落したり、ぶつかったりしないように気をつけて操らないと。

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いらくさ

激しい雨。

明日から仕事だというのに、一日家で何もしないで過ごした。

本を2冊読了。

クリスティの「未完の肖像」と萩原葉子「蕁麻の家」。

じんまのいえ、じゃないよ。いらくさのいえ。

後者は以前読んだのだが、どんな内容かさっぱり思い出せないので読み返した。

私は小説に関しては記憶力がたいそう悪く

本棚でそういう本を発見することがしばしばある。

一冊で何度も楽しめるんだから得してるんだ、と思うことにしている。

「未完の肖像」は前半、イギリスの風習などが細かく描かれていて、それはそれで興味深いのだけれどあまり延々とそれが続くので、読み始めて数日は「睡眠導入本」として使用していた。

しかし中盤あたりで主人公が、見るからに性悪そうな男?(私はそう思った)に出会うあたりから打って変わって刺激的になった。

最後の終わり方が少し腑に落ちないが、そのうち、理解できるのかもしれない。面白かった。

「蕁麻の家」は以前読んだ時と少し違う感想を抱いた。

書いてあることはかなり嫌な、虫唾の走りそうな内容なのだけれど、読後感が意外なほど爽やか。

前に読んだ時はくら~い気持になったのに。

時を経ると感じ方がこうも変わるものか。

まあ私もいろいろあったからね……。

昨日は、一年ぶりくらいに、知人のピアニストと話した。

もともと気が合うとは思ったのだけれど、しばらく仕事で一緒にならなかったせいで

ここのところ連絡を取り合わなかった。

気分にムラがなく、私の好きなタイプの人間。

お互い楽しく近況報告しあう。

最近はある身体訓練法のインストラクターとして活躍しているそうだ。

こんなにスポーツ好きな音楽家、私の周りにはいない。ちょっと珍しい人。

「また一緒にやりたいね」と言い続けて随分経つなあ。

ライブをやるそうなので、行ってみようっと。

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決壊

友人に道端で、芝居これからどうやって続けてゆこうか、などと話していたら

突然涙があふれて止まらなくなった。

そんなに深刻に考えているつもりもなかったのに

心の奥底ではやっぱり不安でたまらないのか。

心細いんだなあ、きっと。

弱さに負けたくなくて、心の壁を作って生活しているけれど、

ここしばらく

壁のせいで、自分の本心が見えなくなっている。

自分でも何を考えてるのかよく分からない。

こういう事故が起こって初めて気付く。

喫茶店。

芝居のこと、劇団のことなど相談する。

しばらくすると落ち着いてきた。いつのまにか決壊した壁の修復作業を始める私。

壁を高くし過ぎると、またこういう事故が起こるっていうのに。

覗き穴でも作っておくか。

最近寝てばかりいるのもうっすら絶望してるせいなのかな。

あふれそうな何かに気付かぬよう、眠らせられているのかしら。

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りりーす

午前中、朝ご飯を食べてうたたねしていたら、電話が鳴った。

母からで、携帯ゲームはどうやればできるのか、という質問の電話。

あ、そうか。今日はdocomoからリリースされる日なのだ。

母は携帯がdocomoなので、暇つぶしにぜひやってみたいとのこと……。なんだかなあ。

iメニュー→「ゲーム」→「恋愛ゲーム」のところにある、と伝えても電話ではなかなか、スムーズに案内できない。

結局タイトルである「韓流スターと恋しよッ」とURLをメールで送って接続してもらった。

最初からこうすればよかった。ああ……。

http://hankoi.andamul.net/

女の人向けだが、少女漫画を読んだことのある男の人ならフフッと笑いながら楽しくやれると思う。

さらに韓流ドラマ好きなら男女問わない仕上がりになっている。

自分でもかなり楽しんで書いた。男性キャラクターの台詞は自分でも頑張ったと思う。

反響はどうなのかなあ、ちょっとドキドキ……。

夕方、サボってばかりじゃいかん!と思いっ切り力仕事をしていると、母からまた電話。

入会して、一話分やってみたらしい。複雑だけど……ありがとうございます。

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くろねこ と あるく

午前中少し作業。

午後から劇団員たちとミーティング。

事務所に、ライターOさんから著書が届いたらしい。

ありがとうございます。大切に読ませていただきます。

ミーティングでは10月の公演などについて話し合う。

この公演では私は「演出及びプロデュース以外」で関わることになっている。

台本やら美術、音関連について。

いつもと違う関わり方を、楽しみたい。

夕方からアガサクリスティー「未完の肖像」と上原隆「友がみな我よりえらく見える日は」をちょっとずつ読む。

夜、散歩に出掛けた。

川沿いの遊歩道を、てくてく歩く。途中、黒猫としばらく一緒に歩いた。

ときどき猫って、こういう風に道連れになることがあるね。

えさを欲しがってるわけでもなさそうだし、構って欲しそうでもない。

ただ、時々顔を見合わせて、並んで歩くだけだ。

なんでだろう?

私も特別彼らに干渉せずにぷらぷらと歩く。

おそらく縄張りの境界線まで来たのだろう。そこで、黒猫は立ち止まり、私を見送った。

さようなら。また今度。

帰ってからまた読書。

Oさんの著作「にんぷ天国」を読む。面白い。Oさんは好奇心の旺盛な頭の回転の速い人だ。楽しく一気に読み終えた。

ソファに寝転んで、ERが始まるのを待っていたらいつの間にか眠り込んでしまい、気付けば4時。

あーあ。

それにしても何でこんなに寝てばっかりいるんだろう。

公演中はあんなに体力あったのになあ。

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あたらしい しごと

午前中は疲れがどっと出た感じ。

眠くて仕方ないが、いい加減、身の回りをきちんと始末つけないといけないので、調べ物をしたり、電話したり。

午後、劇団の作業をほんの少し。主に力仕事!やっぱり私って体力あるんだなあ、とつくづく思う。

近所のブックオフへ行って、何冊か本を購入。読みふけっていると、ゲームの関係者から電話。

いよいよ25日にリリースされるらしい。

加えて、新しい仕事のオファーもいただいた。よかったよかった。本当に幸運だ。嬉しいなあ。

いろいろつらいこともあるけど、こうして期待してくださる方たちもいる。

頑張らなくちゃ~。

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ワカッチャイルケドモ

午前中は病院へ。

到着してから「マスク忘れちゃった!」と焦る。

今インフルエンザにかかったらアウトだ。気をつけなくちゃいかんのに、もう~。

でも大丈夫かな。

最近風邪もひかなくなったし。

病院の帰り、家人に電話したら、落ち込んだ。

悪気はないのだろうが、私ってそんなに世間体の悪い存在なのね。

ふ~ん。

昼ご飯、これからの計画などを立てつつカフェで食べるつもりだったが、やめて帰ることにした。

午後は結局、一日寝たり起きたりで過ごす。

いくら眠っても寝足りない。しばらくはこんなかなあ。

夜、友人と韓国料理屋へ。相変わらずパワフルな人。

「はっきり物を言う」「優しい」が両立してるって珍しい。

昔っからそういうところは変わらないね。

役者に舞台や劇団、要するに仕事上のことで嘘をつかれるのはイヤだ。演じる人を信じていないと台詞をあてがきすることなどできない。

だけど、ここ数日で嘘が分かってしまった。

とてもつらい。

嘘を信じて台本を書いた自分の手。汚れている気がする。

誰でも嘘をつく権利がある。嘘をつくのは自由。見抜けなかった私が悪い。

だけど自分が悪いことがいくら理解できても、つらさも自分に対する生理的嫌悪感は癒えない。

ただもう吐き気がする。

そんなことを知人に打ち明けた。

深夜、パソコンを開いたらその人から返信が来ていた。

優しい、礼儀正しい言葉が綴られていた。

ごめんなさい。心配させました。

大人にならなくちゃねえ。

なんなくちゃ。

ワカッチャイルケドモ。

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公演が終わった。

とてもいい勉強になったと思う。

今回は、初演の台本に手を入れ、大幅に改稿した。リライトは私のもっとも苦手とする作業だ。迷いながらもベストを尽くしたと思う。これが今の私にできる精一杯。

学びの道はいつも苦しい。

その苦しさが、舞台にもかなり出てしまったように思う。

それが反省点だ。

今はひたすら新しい物語が書きたい。

なにより自分の楽しみのために。

もちろん仕事の台本も書かなければならないが、楽しみのために新しいお話が書きたい。

逃げ込みたいだけかもしれないが。

今回、仕事場での人間関係について、私という人間はまったくセンスがないんだなあ、と思った。

私の僅かな能力とエネルギーは、ほぼすべて

物語を書くことと舞台を作ることに向けられている。

現場では特に創作に関することだけに集中したい。無駄な情報をシャットアウトしたい。

だけど、主宰という立場だからか、創作とはあまり関係のない感情や事情に、直接巻き込まれてしまうことが多い。

もちろん、人の体調や感情などに、注意を払うことも仕事のうちだと思う。だけどやっぱり、度を越えた理不尽には我慢できない。

我慢できなくても、私がキレたらおしまいだ。時には自分のポリシーを曲げた言葉を発しなければならない。

今のところ、私をそういう「渦」みたいなものから守ってくれるものは何もない。

舞台を作りたいだけなのに、何故かおかしなことばかりに巻き込まれる。

ていうか、私がキレないのもいけないのかなあ。

昔、理不尽なことをしているメンバーに現場でちょっと怒ったら「あなたの悪いところ全開にして見せないでよ」と、別の古い仲間に言われてショックだった。

それからは怒りの感情を表に出すのはやめている。怒りが激しい時ほど、深呼吸してなるべく穏やかに「お願い」するようにしているのに。

やっぱりそれじゃダメなのか。

もお、分かんなくなっちゃったよ。

舞台を作りたいだけなのになあ。

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ふるい なかま

昼寝を断続的にしながら、作業などもしているうちに、劇場入りの時間となった。

ぼんやりして反対向きの山手線に乗ってしまい、気付けば渋谷。

何故こんなところに???

慣れた駅でどうして反対向きに乗ってしまったのか、理由が分からない。

もしかして逃げ出したかった?

舞台からは逃げたくない。でも、自分の状況からは逃げ出したくなるよねえ。

今日は古い仲間が何人も来てくれて、嬉しかった。

大学の時に一緒に芝居してた仲間と、音楽家の団員。

少ししか話せなかったのがとても残念だ。

芝居の出来は、良いところも悪いところも昨日のソワレと同じくらい。

しかしゲネにくらべると5倍くらいは良くなっている。

本番に入っても諦めずダメ出しと稽古を根気よくやり続けて本当に良かった。

一番嬉しいのは、同世代の女優さんがすごく変わったこと。

この歳になると、よっぽど頑張らないと成長できない。

だけど、彼女は今回力を惜しまず、精一杯努力してくれた。

そして、きちんと成果を出した。

彼女の成長に立ち会えたこと自体が嬉しいし、同世代の人間として心強い。

私だって頑張れば変われるんだって心から思う。

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ほんばん

昨日は初日。

アフタートーク、などというものに初めて出演。

作品について語るのはあまり得意でないため、司会に迷惑を掛けた。

しかし、ゲストのA氏の言葉にはひとつひとつ重みがあり、聞いていてとても面白かった。

私とは、底力?のようなものが違うのだろうな、と思った。

不思議な引力を感じそのままついてゆきたいような気がした。

ついていっても追い払われてしまうかもしれないが。

初日乾杯には携帯ゲームの脚本の仕事でお世話になったプロデューサーK氏もつきあってくれた。

哲学の話をされて、非常に興味深かった。彼は同世代。

私が行くかどうか迷った大学の哲学科の出身であると聞いて、驚いた。

二つの大学に受かって、結局、都心の大学を選んだが、もし郊外の大学を選んでいたら、彼に出会っていたに違いない。

それを初めて知って、不思議な因縁を感じた。

今日は二日目。

午前中から役者たちと熱いミーティングを行なった。

昨日よりもよい本番にする。

そのためにどうすればよいか。

昼、秋の公演でお世話になった作曲家のT氏が来てくれた。

少しお喋りして帰ったと思ったら、

その後、励ましのメールが届いたのでさらに嬉しかった。

どこまでも仁義に厚い人だなあ。大切にしなければならないと思う。

夜は演劇評論家のMさんと、ライターのOさんにも久々にお会いした。

Oさんは人情味があって、頭が良くて、楽しい方だ。

少しお話ししただけだが、とても明るい気分になった。

ありがとうございます。

帰り、出演者たちと遅い夕飯を食べた。

芝居について、いろんなアイディアが出た。

明日はさらによい舞台にしよう。

そんな決意をしあって、別れた。

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こどく めそめそ

本日は場当たり。

芝居と音楽のきっかけ、それぞれのシーンの明かりを確認する。

今回の照明さんとは初めてご一緒する。センスのよい洗練された明かりを作る方だなあと思った。

場面をひたすら丁寧に一つ一つ追ってゆく作業。

作品世界の求めているものと違うもの、不必要なもの、足りないものなどがあれば、そのつど役者さんや舞台監督、照明家、音楽家にお願いしてゆく。

実際は「ダメ」より「OK」のほうが多いけれど、ダメのほうが印象に残るものだ。

できる限り分かりやすく丁寧な表現を心がけているつもりだが、少しずつみんなにイライラが溜まってくるのが分かる。

ごめんねと思いつつも、妥協はできない。

休憩時間は針のむしろのよう。自分の居場所がないように感じる。

どこで休めばいいんだ?孤独。

やがて再開。ほころびだらけの天真爛漫さをよそおって、要求を出し続ける。

退出時間の少し前に場当たりと舞台稽古が終わった。

美術面で残っている作業と、片付けなどをする。

場当たりが終わって本当によかったなあ。心からほっとした。

通勤時間まで含めると、昨日、今日と14時間労働。

今の体の状況から考えるとおそらく奇跡に近い。神さまと母親に感謝である。私に体力と気力と、危険を察知する能力を授けてくださってありがとう。

帰り道、電車の中で、知らない男の人(たぶん酔っ払っている)から、「よう、元気かい」というような目配せをされた。

普段は子供と犬から目配せを送られることが多い私だが、今日は酔っ払い。

悲しい気分のときに、何故だか、見知らぬいきものと、心が一瞬触れ合う。

古い友人から電話。

泣いてしまった。

現場にも、家にも……私にはどこにも居場所というものがない。いつもひとり。

芝居は集団で行なう仕事だが、私はいつも独立して機能しなければならない。台本を書くのも、演出するのも、美術を考えるのも、いつもひとり。

だけど自分が選んでやってきたのでしょ?

はい。

じゃあメソメソしないで。心の中で、「助けて」と叫ぶクセ、そろそろ直しなさい。誰もあなたのことを助けたりできないのだから。自分で、なんとかするの。

すみません。私もときどき、安心して丸くなれる場所が欲しくなります。

だいたい、順調にいって余裕があるから、そんなことを言って泣いていられるんだよ。

そうかもしれません。

いいじゃん。今日だって何だかうまくいったんだから。きっと明日、面白い初日になるよ。

それはそう。間違いない。幕があくギリギリまで、ベストをつくすつもり。

精いっぱいやろう。もちろん。

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小屋入り

ついに小屋入り。

仕込みの第一日目である。

だいぶ作業面で遅れてしまったが、何とか退出時間までには舞台美術の仕込みは仕上がった。

よかったよかった。

ただし、明日の場当たりが恐ろしい。

何だかとどこおる予感がする……。

体調がおもわしくないわりに、現場では普通に動けるのが不思議である。

暗がりや高所での作業が多いのに。

危険を察知する力が、いつも以上に働いているからか?野性にかえっているような感じがする。

野性にかえったせいか、他人の気分を少々過敏に感じ取ってしまっている。

私のやっている演出とか美術チーフという立場は、多少は主張をしないと始まらない仕事なので、どうしても、誰かと仲良しこよしでやるわけにもいかない。

他人の感情を気にしすぎると仕事が進まない。「計算ずくの天真爛漫さ」みたいなものが必要だ。

つまり仕込みの日はちょっとだけ鈍感でいたいのだが、今日はそれがうまくゆかなかったように思う。

まあ要するに、鬱陶しがられたり、冷たくされたり、せかされたり、相手にされなかったりしても、自分の仕事を楽しくどんどん進めることが大切なのだが、今日はあんまりそれが出来なかった。トイレなどでほっとひといき、一人になった時など、ちょっと悲しくなってしまったりした。

でも、何とかやりおおせたのでよかった。

考えてみると、若い頃からこういう一人ぼっちでやるポジションをずっとやってきている。

依存心が強く、淋しがりやで、頼りない性格なのに何故なんだろう。

ロビーで楽しそうに語らう若い制作スタッフと役者を見ながら、うらやましく思う。私は演劇を始めてからそういうふうに仕込みの日を過ごしたことがない。

学生の頃とか、もう少し謳歌すればよかったなあ、と思った。ちょっと損してしまった気分だ。

なにはともあれ、今の私は、大人の演劇人で、逃げ場のないところに立っているのだ。

ちょっと面倒くさがられたり、嫌がられたりしてもひるんではいけない。

役割によってそれぞれ考えが違うのだから。

要求をどんどん出して、舞台を少しでも面白く刺激的なものに仕上げてゆかなければならない。

そして、周囲の気分にまどわされず、集中を保つ。

舞台を作ることだけをシンプルに楽しむこと。

それが大切。

明日も頑張ろう。

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小屋入り前

昨日の2回のリハを踏まえ、手直しの稽古。

数回の稽古で皆、驚くほど良くなった。

やはり「もう後がない」と思うと、一回一回を大切にするのだろう。

まあ本当は、初回の稽古からこうであって欲しいけれど、なかなか、難しいのだろうなあ。

とにかく小屋入りする前、とても良い稽古が出来た。それいいことにしておこう。

稽古の帰り、演出助手と制作とで打ち合わせ。

この作品と、私の仕事に対して理解と信頼を示してくれるのが、本当に嬉しく、心強い。

ありがとう。

私もあなたたちにふさわしい人間であれるよう頑張ります。

昼間、病院にもう一度行かなければならなかったのだが、ちょっと具合が悪すぎて行けなかった。

結局午前中寝込んでしまった。

午後、髪を切りに行って、生活必需品をまとめ買い。

明日は荷積みだし、今日中に食料やら生活用品やらいろんなものを買っておかないと、今の私には命に関わる。

加えて昨日買い損ねた母の日のプレゼントも。

夕方、家にとんぼがえりして母に渡し、稽古場へ向かう。

身体がきつい。

それでも昼間は良かった。家でも稽古場でも人がいると心配されたくないので元気に振舞えるからだ。

でも家人が帰郷し、誰もいなくなると、また寝たきりっぽくなってしまう。

体調を崩したため、仕事が山積みになっている。こんなハズじゃなかったのに。う~。

ひとつも手をつけられず倒れて寝てしまった。

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しんこきゅう

体調は上向いてきている。

少々の腹痛と腰痛を気にしなければ何とか一日現場で過ごせそうな感じ。

気遣った家人が好物を作って持ってきてくれた。ありがたくいただいて昼過ぎに稽古場へ出発。

途中、地下鉄で「もわ~」としているところを客演のT氏に発見され、とても恥ずかしい。

半分眠っているような状態で人に出くわすのは苦手だなあ。

さて、本日は昼と夜、二回のリハーサル。

音楽ときっかけの稽古を40分ほどやってから、昼夜のリハーサルにのぞんだ。

昼のリハーサルではこの前のリハにも増して演奏の力を感じた。

リハ後にも音楽とあわせて何箇所か稽古。

合間に、舞台監督や照明さんなどと劇場入りしてからのことを打ち合わせ。

久しぶりに制作統括をお願いしているO氏とも言葉を交わした。

みなスタッフは穏やかな人ばかり。集中して仕事に向かうことができる。幸運だなあと感じた。

夜のリハを開始する前、またお腹が痛み始めた。ストレス?

とりあえずあんまり考えないようにして、深呼吸。演助のHちゃんのそばでおとなしくしていたら、少しおさまった。

深夜、ダメ出しののち解散。

帰り道、たまたま一緒の役者と「距離感」の話題になった。

仕事ではある一定の距離感を保てないときつい。

それが守れなかったり、双方の距離感の認識がつり合わなかった場合、問題は起こる。

なるほどね、この人はそういうことに意識的だからこそ、それが上手なのかなあ、と思った。

帰ってスポーツ番組を眺めながら遅い夕飯を取った。

サッカーの番組には間に合わなかったのが残念。それでもテヴェスのゴールを見られたのでちょっと嬉しかった。

今からチャンピオンズリーグの決勝が楽しみでならない。ルーニーには絶対ゴールを決めて欲しいなあ。

どうも夕飯を食べた後、そのまま寝入ったらしい。

気付けば朝。あらあら。

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ちゅういぶかく

おとといから大きく体調を崩したが、何とか持ち直した。

公演に関してまだまだ仕事は山積み。

とにかく気持を整え、落ち着いてゆこうと思う。

今は精神的なストレスを避けることが一番大切なのだとアドバイスされた。

私はそういうところがどうも鈍感なので、いつも体調を崩してから気付くが、これからはもっと神経を尖らせて繰りかえさないようにしなければ。注意深く、行動すること。

ほんとはストレスってそう悪いものではないと思うけど。仕事にはつきものなんじゃないのかなあ。

まだ少し、鈍痛と疲労感が残っている。栄養を摂って、静かに静かに。

明日は昼と夜、二回リハーサルがある。

とても楽しみ。

演技も演奏もどんどん面白くなってきたところだ。出演者ともスタッフとも協力しあい、頑張って仕上げたい。

ベストを尽くそう。

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ちゃんと は ゆうげん

昼は抜き稽古、夜は通し稽古。

なかなかよくなってきたと思う。

何より、出演者の集中力が増してきたのを感じる。

私はといえば、毎日きちんと食事をとることもできていない。

今日からちゃんとしよう、ちゃんとしよう、って思うけれど、毎日、稽古場で「ちゃんと」を使い果たしてしまう。

私の「ちゃんと」は有限なのである。

帰るとソファにひっくりかえって、何もできなくなる。

これじゃいかん。

今夜こそ、と決意して帰宅。

ソファに腰を降ろす前に、洗濯・料理・掃除などすべての用事を済ませた。

なんだ、やればできるじゃん。

しかしご飯を食べると疲れがどっと出てまたソファから立ち上がれなくなった。

身体中に乳酸が溜まっている気がする。

ああ~何とかしたい。

これからもっともっと大変になるんだから、何のこれしき、と立ち上がったがやっぱり無理。

寝よう。

そういえば、今日は小雨のせいか、あの人のことを何度か思い出した。

優しい良いところばかり、頭に浮んだ。それって幸せなこと。

きっとその人にはもう会う機会もないのだから、悪いところなど思い出したくないし、その必要もない。

きれいな思い出って、マッチみたい。

少しの間、心の暗がりを照らしてくれる。灯るのは一瞬だけだけれど。

眠って起きたら、もう少し強くなっていますように。

目覚めたら、この疲れが消えてますように。

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やせいじん

ものすごく気分が落ち込んでいる。

こんなことでこれからの生活、大丈夫なのだろうか。

忙しいせいで欝っぽくなっているだけなのか、それとも、状況を冷静に把握できてきたからなのか。

体調は悪くない、と思う。

相変わらず食欲はないが、最低限の栄養は摂れている。ハズだ……けど……ちょっと自信がない。

確かに冷えた頭で考えるに、状況は決して良くない。これから、孤独で苦難に満ちた日々を送る可能性が高い。

でもそんなこと考えても仕方ない。

もっと良い側面に目を向けよう。

風邪などひきやすかったり、ストレスに多少弱かったりはするが、私はほとんど野生児だ。

いや、子供じゃないから、野生人。怪我しても治りが早いし、今だって、人から驚かれるほどの体力がある。

身体能力もほぼ落ちていないし、若い頃より落ちたのは知能に関する部分だけ。(ちょっと問題だけどもともと頭は良いほうではないから、そんなに痛くない)

基本はノラ猫のようにしぶとい人間なのだ。

気力を保てれば、何とか生きてゆける。ハズだ。

つらいなあ、つらいなあ、と思う。

大切な人を何人も失なった。

心が折れてしまって、つい安易な方向へ考えが行ってしまいそうになるけれど、想像が3分も続かない。

ダメなんだよね。そっちの方へはやっぱり進めない。

孤独と恐怖と、どっちを選ぶかと言えば、私は前者。

魂が恐怖に支配されてしまうと、夢を見られなくなる。物語を紡げなくなる。

それがよく分かった。

だけど淋しいだけなら、心は自由。いつでも夢の世界へ行ける。

大丈夫。心がどうでも、体力だってあるし、頭だってじゅうぶん機能してる。

本番まで集中力を保つべし。

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たくさん の 「ちゃ」

連休は稽古漬け。

すっかり本番モードに入ってしまって、芝居以外のことは考えられなくなってきた。

食欲もないし、あまり眠れない。

時々自分の身体の状況を思い出して、食べなくちゃと焦る。栄養摂らなくちゃいけないのに。

だけど、芝居のことを考え始めるとまた忘れてしまう。

生活に対する意識がこんなに欠落していて、今後大丈夫なのかな。私。

しっかり、しっかり……。

しっかりしなくちゃ。食べなくちゃ、稽古しなくちゃ、洗濯しなくちゃ、自分を大切にしなくちゃ、見つめなくちゃ、決めなくちゃ、考えなくちゃ、行かなくちゃ……

頭の中がいろんな「ちゃ」でいっぱいになる。

ちゃ、ちゃ、ちゃ。

なになにをする「べき」って言うと重いけど、なになにをしなく「ちゃ」だと何だか軽くて楽しい。

楽しい、楽しい……。

不安で心細いからこそ、ひとつひとつの「ちゃ」を楽しいって思わなくちゃ。

チャチャチャに合わせてどんな振り付けで踊ろうか。今、思案中である。

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