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2011年12月

ささやかな しあわせ

理由は分からないがなんとなく話が合いそうだなあ、と思う人って時々いる。

ひと月ほど前にある縁でそういう人に出会った。

先日もちらりと同じ場所に居合わせ、たまたま数分二人きりになった。少しだけ雑談してとても楽しかった。

どんな人なのか知らないし、まったく世界も違うから、今後もあまり話す機会もなさそう。

でも、たまにはこういうふわふわとした時間もいいなあ、と思う。

親切で穏やかなものごし。きれいな目をしている。

そういう人と出会えることって、そんなにはないものね。

ささやかな幸せ。

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ことば の はったつ

小さな同居人は、「きょうは さむいからね まま おぼうし かぶった?」などと言ってくる。

言うことだけ聞いていると、ほんとにもう、赤ちゃんじゃないんだね。

ご飯の時、ぬいぐるみの台詞をいちいち指定してくる。

「あ~ん、たべたいよう~って」とくまのぬいぐるみを指してプロンプを入れる。

私の役割はいつからか、ぬいぐるみを操って、小さな同居人の考えた台詞を言うことになってしまった。

「ほら、これ食べて」と小さな同居人はフォークでブロッコリーをくまに差し出して満足そう。そして「まだあるからね。ね、泣かないで」とくまをなぐさめたあと、また私にプロンプ。

「あ~ん。まま どこにいるの?」

「ああはい」と私。「(くまを操って)あああ~ん、まま どこにいるの?」

小さな同居人は、「ままは おやまに いるのよ すぐくるからね だいじょぶよ」とまた上から目線でくまをなぐさめる。

という感じ。

私はご飯を食べているのか、人形操演をやっているのか、さっぱり分からない。

ほんとにすごく大変だ。

しかし今は小さな同居人をきちんと食事させるための方法がない……。

ここ二ヶ月くらいで、絵本がものすごく好きになった。

立原えりかの「青い鳥」が好きなようだ。

おばあさんが訪ねてくるところの台詞「こんばんは、ごめんください」と

思い出の国を出たとたん「あおいとりはまっくろになってしまいました」という箇所を

繰り返し言っていっている。

何故?

一人掛けのソファに二人でぎゅうぎゅうになって座って、

みかんを食べながら青い鳥を読むのが毎日の日課だ。

そういえば、このまえの夜、煮物をワニのぬいぐるみに差し出しながら「あじがしみてるでしょ?ね?」と言っていた。

保育園でも先生に「ブリ大根美味しい?」と訊かれて「あじがしみてるね」と答え、爆笑のうずになったらしい。

どこで覚えたんだ?そんな言葉。

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今日は昼から友人が来た。

この人とはずいぶん久しぶりだ。

鳥とアジのフリッター、それにトマトソースのペンネ、ブロッコリーでおもてなし。

好評で嬉しかった。

小さな同居人も最初は人見知りして泣いていたが、

そのうちにウキウキと遊び始めた。

公園に散歩に行き、思い切り遊んだ後、

なじみの喫茶店に行ってお茶。

おとといも来たばかりだから、小さな同居人は落ち着いてマスターともやりとりしている。

友人も静かな時間を過ごすのは久しぶりだったようだ。

お互いにこれからのことなど話す。

未来について見通しや目標を持っている人と話すのは楽しい。

刺激がある。

イメージばかり語り、具体的な計画を持たない人はつまらないね。

そういう人ほどロマンチストを名乗るのは何故だろう。

夢想することと現実を組み立てて行くことは、まったく矛盾しないのに。

友人が帰ってから、小さな同居人はさらにハイになった。

ピアノを弾きながら(もちろん演奏はでたらめ)いろんな歌を歌った。

ムーミンと恐竜の赤ちゃんのぬいぐるみを、近くに座らせて、おもちゃのピアノに向かう。

面白いのでビデオを撮った。

曲目は「かわいいかくれんぼ」「ことりはとっても歌がすき」「ちょうちょ」など。

そのあとは太鼓を叩きながら「おまつりわっしょい」と叫んで遊んだ。

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ひといき

本番も終り、やっとピアノの稽古ができるようになった。

まったく指が動かなくなっていて焦った。

一時間くらい練習したらほんの少しずつだが調子が戻ってきた。

レッスンを終え、帰宅。

仕事は意外と早く終わった。

というか、不慣れなせいで、今のタイミングで何をやったらいいか分からぬ……。

仕方ないからぼうっと調べ物やメールなど。

とにかく週末くらいから年末まで執筆で連日寝不足になるのは間違いないのだから、

今はのんびりしておこうか。

整骨院に行こう。

仕事は今のところ指示待ち。

ああピアノが弾きたい。

たくさんたくさん、がんがん、がんがん。

たぶん、今の私は、自分の成長を実感したいのだ。

だって、なかなかそんなチャンスってないからね。この歳になると。

前からうすうす感じてはいたのだけれど、

はっきりと気付く瞬間があった。

本当にかっこいい生き方してる人とか、素敵な仕事ぶりの人はたいてい、飾らない言葉を使う。

でも、何かの業界人ぶってたり、些細なことで自分の多忙を叫びがちな人は、

なんとなくウソ爽やかで工夫のある言葉を使うことが多い。

がむしゃらで見栄のない人と話すのは楽しい。

私はまっすぐな言葉と、まっすぐな人間に憧れる。

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くいず

小さな同居人は、絵本の動物を見せて、これはなんでしょう?とクイズを出してくるようになった。

当たると「せいかいです」とか言ってくる。

ときどき「よくおぼえたね」などとほめてくれることもある。

ほめられるとちょっと複雑だ。

ちなみに私はあまりクイズを出してもらえない。

母はよくターゲットになっている。何故だろう?

明日は子ども劇本番、とても楽しみだ。

ここのところ本当に忙しかった。

でも、この舞台があるからこそ、全部乗り切れた気がする。

とにかく楽しんで、大切にやりたいと思っている。

おやすみなさい。

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せいか~い

頭が痛い。

血管でも切れたのではないかと心配だったが、喉の薬を飲んだら痛み止めが入っていたようですぐに治った。

たいしたことなさそうだ。

寝不足過ぎるのかな。日本語が変だけど。

プロットだいたい納期が間に合ったのでよかった。

といってもひとつ小さいのが残ってるけど。

明日頑張ろう。

小さな同居人は最近クイズを出してくる。

絵本を見せてきて「これはなんでしょう?」などと訊く。

「わんわん」と答えると「せいか~い」とほめてくれる。

言葉が達者で、何を言っても言い返される。

リトミックの教室でも、楽しそうに踊って鳴らして絶好調だ。

週末は機嫌が良かった。

かんしゃくばかりの数日前とは大違い。

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こっち を むいて

ゲームプロットの6割くらいを作り終えた。

初めての仕事だが、ほんの少し慣れてきた。

ここ数日、小さな同居人のかんしゃくがひどくて、戸惑っている。

ちょっとしたことでも泣きながら怒る。興奮しているうちに、何に怒っているのかも分からなくなってしまうようだ。

泣いて要求するのではなく、言葉で話そう、と声を掛けているが、なかなか伝わらない。

淋しいのだろうか。

家事を片付けてから迎えに行き、二人一緒の時はずっと抱っこして遊んでいることにしようか。

それならたぶん、こんなに頻発しないような気がする。

別に散らかっていても、死ぬわけじゃない。

料理する20分泣かせるより、お惣菜を買うほうがいいかもしれない。

いろいろ試してみて、そう思った。

全部完璧は無理。私の家事能力は高くない。

料理する間に泣かれると、頭が混乱して、ミスが多くなる。

火や刃物を使う時には怪我をしかねない。

というか何度も包丁で指を傷つけてしまった。

離乳食も全部手作りしたし、

お惣菜を食べさせたことはほとんどなかった。

でもその理由は、

ただ自分のことを手抜きだと思いたくない、というそれだけだった。

別に一人の食事のときはインスタントや既製品をたくさん食べている。

こんなに泣くのは「こっちを向いて」というメッセージではないのか。

とにかく手抜き。

信頼のおける店なら、お惣菜をたまには買ってもいいだろう。

時間のあるときにもっと自分で作りおきして、大量に冷凍しておこう。

一緒の時間は全部、小さな同居人の相手をする。

試してみよう。

家族の言うことなど気にしない。

どうせどう頑張っても良い評価をされないのが私の位置づけなのだ。

今は、小さな同居人に向き合うことを中心に考えよう。

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か~し~て~

仕事が終わらない。

仕方ないので授業中も手書きで仕事する。

安易な解決法だが、仕方ない。

ここ数日、夜、割と爆睡気味で夜作業の分がはかどっていなかった分を、

今日巻き返せたように思う。

頑張らねば。

小さな同居人は、私の机に乗っているものを「か~し~て」と言ってくる。

首を傾げて訊いてくる様子がとても可愛い。

何故か「一太郎13(確か戯曲賞の賞品でもらった奴のような……)」の箱の中身が気になるらしく、言ってきたから「い~い~よ~」と返事する。

中のディスクを興味深げに眺めたあと、「きかせて」と言ってくる。音楽のCDだと思ったらしい。

「これ、聞けないんだよ」と言うと「なあに?」と訊きかえされた。困った。説明が思い浮かばない。

「むつかしいやつだよ」と言って逃げる。

なんか面白い説明はないものか。

最近、自分の性格の悪さが気になる。

一番、ダメだと思うところは、人の能力が気になってしまうところ。

女の人だと、あまり気にならないが、男の人だと気になる。

特に、考えに筋が通っていないと、指摘はしないが、途中で心の耳をふさぐ感じになる。

距離を置きたくなる。

相手が同性だと、一応、矛盾点を指摘したくなるのだが、

男の人だと嫌悪感が出てくる。

指摘した後のことを想像してしまうからだと思う。

恫喝されたり、興奮されたりすることが今までに多かったから、もう言いたくないのだ。

女性でもそういう人はたくさんいると思うけれど。

最近、古い友人にパソコンのメンテなど、ちょくちょく助けてもらっている。

私と同じように、彼には重大な欠点がいくつもあるが、尊敬している。

健康に気をつけているように見えないが、

長生きして欲しい。

彼の知り合いで、とんでもない人間性の人がいたが、最近大きなプロジェクトを手がけているらしい。

とにかく、「暴力性を持った変人」という感じの人で、その人の行動を耳にして、震撼させられることも少なくなかった。

何故そんな人が、採用されたのか、と私が訊くと

「変人性を、才能が陵駕したということだろう」と彼は答えた。

なんか面白い表現だと思った。

メモしておこう。

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こんさーと

体力の限界を超えて仕事仕事だ。

とにかくあともう少し。

頑張れ。頑張れ。

小さな同居人はおもちゃのピアノで弾き歌いする。

弾き始める前に「がくふがくふ」と言って、楽譜をピアノの上に置く。

大きな声で歌いながら、でたらめな鍵盤を自信を持って押さえる。

リズムはあっているので、なんとなく聞き応えとしてはある感じ。

曲がかわるたびに、楽譜をめくるのがおかしい。

もちろん、文字も譜面も読めないので、適当なページを開いて

見ているフリをする。

コンサートを見学しようとすると、

「ままはうたわないで」「あっちいって」などと追い払われる。

じいじやばあばは聞いていてもいいのだが、

私はライバルだと思われているようだ。

一緒に歌わせてくれるとうれしいのだが。

ぬいぐるみのくまに、ピアノを教えようとしているのが面白い。

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相談系の掲示板を見ていたら

知っている人と思われるものがあった。

時期や、センチメンタルな言い回し、内容から言って、可能性が高い。

ただ事実の誤認が多く、複雑な気持になった。

相談文は、悩みの対象である、私と思われる人物の気持を推察して、それを前提に書かれているのだが、

その前提自体が違っている。

誤解されていたのだとすれば、非常に残念だ。

ただ、誤解というものは世の中にはないらしいので、

その人にとっての真実は、それだということなのだろう。

ひとつ言えるのは、

私はあまりロマンチックな性格ではないということ。

正直、感情の問題で結論を出したわけではない。

その人物の考え方や能力、可能性、一貫性、尊敬できるかどうか、に対して考えた結果、

私なりの答えを出したに過ぎない。

特別な場合をのぞいて、私にとって感情はいつも二番目だ。

私の知っている人と違っていればいいのだが。

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