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2014年11月

まいにち きゅうじつ

このところよく、友人とランチをしている。

人と会って話す、というのが今の自分には一番必要なようだ。

それと図書館で本を読んだり調べ物、あとは家で家事をするか、ピアノを弾くかして毎日過ごしている。

今週から近所の大学で聴講することにした。

といってもいわゆる「もぐり」。

自分の卒業した保育の専門学校に先日遊びにいったら、

「日本国憲法」の先生にばったり出くわし話が弾んだ。

大学も含めて、私の受けたことのある講義の中で、5本の指に入る面白い先生だ。

家の近所の大学でも教えていると聞いたので、出かけてみたのである。

大講堂だったから比較的もぐりこみやすかった。

相変わらず分かりやすくかつ痛快なトークに大満足。

講義後、帰ろうとしたところ先生が壇上から手招きをしている。

「?」恐る恐る近づくと、「これまでのプリント」と資料を渡してくださった。

というか、一番後ろで聞いてたのに何故気がついたの?

すごいな、プロの講師は。

私もこの夏、八王子の大学で大教室での講義を担当したけれど、

後ろのほうの子の顔なんて見る余裕全然なかったよ。

とにかく「法学」の講義はとても楽しいから毎週行くことにした。

続けて日本国憲法の講義もあるのだが、こちらは夕方だから聞けない。

昨日は知り合いの男優さんの芝居を観にいった。

正直、観劇は目が疲れるし、めまいを起こしそうな予感がしたが恩義のある人の舞台だから行く必要があった。

帰り道がしんどくなる可能性があるので、友人に頼んで一緒に行ってもらった。

芝居の内容にはかなりショックを受けた。

もともと丹念な台本に丁寧な演出をして、好き嫌いはあるが、小劇場の世界では比較的「練れた舞台」を上演する劇団だったはずなのに、

とても雑だった。

何があったのだろう。

そのショックとは別に、照明のランプの点滅(余分な明滅が非常に多かった)で

頭がくらくらしてきたので、友人に寄りかかりながら終演をひたすら待った。

目も疲れるし、しばらくは舞台は見ないでおいたほうがいいかもしれない。

でも友のありがたさが分かったり、懐かしい町に再びあえた、

という点では、いい一日だった。

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かいふく

長い間、書けなかった。

めまいから回復した後、今度は正面にあるものが二重に見え出して、大学病院に掛かっていた。

先週、検査入院を一日延長し、点滴治療を受けたら、退院後すぐに回復した。

検査結果はまだ待ちの状態だが、視力についてはほぼ回復したのでこうしてまたデスクトップに向かい合えることとなった。

短い間なら、モニターを見ていても大丈夫なので、ほんの少しだが脚本仕事もやることにした。他のライターさんのお手伝い程度。

普通に見えるということは、なんて素敵なんだろう。

先月は正面が見えにくかったせいで、外歩きにいつも不安を抱えていた。

一昨日からは、いつもの道を歩いていても幸せを感じる。

先月は病への恐怖心から何も手が付かない状態だったが、

気持ちもだんだん強くなってきたようにように思う。

まだ検査の結果が出ていないので心に大きな不安がのしかかったままだ。

でも、本を読んだりピアノを弾いたりもできるようになった。

本は少女小説や児童文学を読んでいる。

『赤毛のアン』。現役の少女の頃は大嫌いだった。私に女の子の心が欠落していたからかもしれない。でも読み返したら泣けるところがたくさんあった。共感、というより、小さな同居人と少し重ねて読んでしまうのだ。女の子の本音がそのまま台詞になっている。すごいなと感じる。

『十五少年漂流記』昔大好きだったのに、読み返してみるとまあまあ面白い、という感じ。赤毛のアンは女の子の裸の魂が描かれているのに対して、こちらは男の子同士の、どちらかというと建前的な部分が描かれている。それがちょっと物足りないのかな。でも、子どもだけで暮らす、という物語のスタイル自体には、大きな魅力を感じ続けている。だから、私の作品にはこの形式が多いんだろうね。

『ジェーン・エア』は、私にはちょっとついていけなかった。妹の書いた『嵐が丘』のほうがはるかに好きだなあ。でも両方色彩が暗い。

『オズの魔法使い』を読み返した。ちょっとグロテスクな感じの描写があって、あまり好きではない。作者ボームの前書きを読むと、「安全で楽しいファンタジー」を目指したみたいなことが書いてあるのだけれど、結構恐怖を感じさせる表現が多いけどなあ。

『ライオンと魔女』文句なしに面白い。小さい頃一度読んだことがあるが、内容はすっかり忘れていた。ちょっとグロテスクな雰囲気のところもあるけれど、ほんの少しだから我慢できる。ナルニアの二作目からは確か読んだことがないので、これから読みたい。

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